姥捨て山伝説を題材にした映画『デンデラ』を観ました。
1年ぶりの日記となりました。
いろいろあって年末で会社を辞め、
「プログラミングの勉強をするんだ」
「海外旅行に行くぞ」
といった目標を立てつつ特にどれも達成することなく、実家で親のすねをかじりながら毎日だらだらと無職生活を満喫中です。
働かずに食べる飯もなかなかうまいもんですね。
『デンデラ』
僕のフォローしている方がたまにプライムビデオで見放題になっている映画を同時に再生して見る配信をされているんですが、たまたま気が向いたので僕もその映画を一緒に見ることにしました。
姥捨て山伝説を題材にした『デンデラ』という映画だったんですが、あまりにも面白かったので詳細を記しておきます。
もしこの映画を観ようという方には、下記をオススメします。
- 予告編などの動画を見ず、事前知識は最小限にして観る。
- 一人ではなく、誰かと観る。(観終わった後、きっと感想を話したくなるため)
- けっこうグロいシーンがあるため、苦手な人は観ないほうが良い。
それでは、下記完全にネタバレありで詳細を書いていきます。
冒頭
姥捨ての風習が残る山で、主人公カユ(70)が捨てられるところから物語は始まります。主人公カユは風習を受け入れており、自分の死も受け入れていました。
雪山に一人ポツンと取り残されたカユ。薄い死装束で寒さにブルブル震えていたと思ったら、突如始まるカユの放尿シーン。いったい誰得なんだ。そこを描く必要はあったのか。
やがて限界が来て、カユは倒れます。カユが倒れてしばらく後、何者かがカユを連れ去ります。
デンデラ
見知らぬ寝床で目を覚ましたカユ。外に出ると、見覚えのあるババアが。そこは自分より先に捨てられたババアたちが暮らしている集落「デンデラ」でした。
タイトルからも察しはつきますが、この映画、登場人物がほぼ全員ババアです。よくこんな寒そうなところで、これだけのババアを引き連れて映画を撮影できたなと感服するばかりでした。しかもみんなババアの演技が異常に上手い。いや実際にババアなんですけど。
長老であるメイのところへ連れて行かれたカユ。長老は30年前に捨てられたババアで、今年で100歳になるそうでした。この長老、100歳の割にめちゃくちゃ元気でかつかっこいいババアでした。
30年かけて作ったデンデラで、長老は自分たちを捨てた村に復讐の準備を整えていました。カユが加入したことでちょうど50人。劇場が作れるくらいの人数になったところ*1で戦力は整ったと判断し、5日後に復讐を仕掛けると言い出します。
困惑するカユが外に出ると、大勢のババアたちが奇声を張り上げながら、藁で作ったカカシに攻撃をしていました。
槍でカカシを突くババア、弓でカカシを射るババア、クワでカカシを殴るババア。十人十色のババアがいました。
悲しいことにその攻撃のどれもがスローで、村の若者にはまったく勝てそうになかったのですが、長老はイケると確信していたようです。そもそもカユも来たばかりで、まだ戦う気にもなってないんだが大丈夫なのか…?
決起集会
決戦直前に村の全員を集めて長老からの演説で士気を高めます。 長老の脇にはデンデラの最大戦力と見られるババアたちもいます。この中にいたバンダナのババアは弓矢の名手っぽくてめちゃくちゃかっこよかったです。
すると、突然奥から異論の声が上がります。椎名マサリの登場です。黒いフードをかぶり眼帯をしている、見るからに呪術師タイプっぽいババアで強キャラ感がすごかったです。マサリは平和主義で、復讐をやめるよう主張します。
ちなみにマサリは家族を殺され、片目を潰され、村の人から慰み者にされたというハードな設定全部盛りのババアでした。これで平和主義なのかっこよすぎる。
結局、マサリの意見は通らず、復讐は行われる事となりました。
決戦直前の夜のアクシデント
決戦直前の夜、デンデラはクマに襲われ、数人の死傷者が出てしまいます。カユの親友であるクラは脚を失い、瀕死の状態でした。
長老たちは話し合い、逃げてしまったクマをおびき寄せる囮にクラを使うことにしました。自分たちを捨てた村と同じことをしているのがなんとも皮肉ですね。
2度めの襲撃でクラや多数の死傷者と引き換えに子グマを殺し、親グマは撃退することに成功します。大幅に戦力を失うも、クマとの対決との勝利に沸き立つババアたち。勝利の宴が始まります。
「女性器全開!」みたいな振り付けの下品なダンスを踊り狂うババア
クマの血を飲み「う゛め゛ぇ゛え゛~~」と舌鼓を打つババア
突然屁をこき出すババア
完全に浮かれていましたが、数日間様子をみても逃げ帰ったクマが再び襲ってくることはなく、いよいよ復讐に出発します。大きな犠牲は出ましたが、村人たちの結束は更に固まりました。
しかし、この時点で残り再生時間は40分ほど。クマ編の導入ぐらいから思ってましたが、ちゃんと話をたためるのか?と心配でした。
決戦出発後のアクシデント
村人たちが出発した翌朝、村人たちは休憩を取ります。
宴のテンションが抜けないのか、戦で気持ちが昂っているのか、くだらない会話もはずみます。
村人がババアたちを見たら驚いて死んでしまうだろうな~、という会話の流れで
「死んだ顔に屁ぇぶっかけてやるべさ!」
と屁をこくババア
直後に雪崩が起きます。
マジかよ嘘だろ
「この俺を見事潰してみれぇ~~!!!」
雪崩に対して両手を広げ、真っ向から立ち向かった長老はこの後、あっさり死にます。
運良く無傷で生き残ったカユが運良く長老を見つけ、「デンデラ…デンデラ……」と喋ったあと死にます。
戦力をほぼ失ったカユたちは、一旦村へ戻ります。残り30分でどうやって話をたたむんだろう…?
村に戻った後のアクシデント
村に戻ったあとは平和主義グループが最大の派閥となり、村への復讐は諦めます。カユは少し前向きになったのか、デンデラを捨て新しい土地を探す旅に出ようと決意します。
そんな折に、傷ついたクマが再び襲ってきます。
完全にふざけてる。
ここでも多数の犠牲者を出し、呪術師みたいだった平和主義者のマサリが自分の命と引き換えにクマをデンデラの拠点に閉じ込めて焼き討ちにし、クマを撃退します。
残り再生時間は20分、急げ~~!
カユの出発
デンデラを捨て新たな土地をもとめて旅立つことにしたカユ。そこにサバイバル能力に長けたヒカリが加わります。
旅立って何日かしたあと、瀕死のクマを見つけたカユとヒカリ。仲間を殺した憎っくきクマとの決着をつけるためか、カユはクマに声をかけておびき寄せます。
必死に逃げるババアたち
それを追うクマ
花咲く森の道でクマさんとかわいいお嬢さんとの追いかけっこだったら微笑ましかったんですが、雪山でババア(70)が瀕死のクマと命がけの追いかけっこをしている様は見るに耐えないですね。
途中、ヒカリはカユと別れ、自分を囮にしてクマをおびき寄せます。
クマに食われる直前、ヒカリがつぶやいた言葉は「デンデラァ…」でした。
それ言わせる必要ある?
そのあと、カユの必死に走る姿がスローで再生されたり、長老の若かりし頃の姿がオーバーラップしたりします。意図がわからない。
民家が見えたあたりでついにクマに追いつかれます。しかし、そこはカユが元いた集落でした。
クマはカユをスルーして他の村人を襲い始めます。
「お前が呼んだのか」
「教えてくれ、どっちの負けだ?」
カユがクマにそう問いかけた後、クマがカユに襲いかかってきて暗転。物語は終わります。
映画を観終わって
見てる間めちゃくちゃ笑ったんですけど、物語として面白かったわけではなく、雑さがひどかったというのが一番の要因でした。最初に書いたとおり、この映画を見る際は友達といろんな粗にツッコミながら見るのが良いと思います。
今後、しばらくは会った人にはこの映画を勧めると思います。
僕はたぶん二度と観ない。