SEKAI NO OWARIのピエロの人に思いを馳せる
SEKAI NO OWARI、ご存知でしょうか?僕はあまり詳しくないのですが、ドラゴンナイトという曲を誰かがカラオケで歌っていたので、MVを何度か観たことがあります。メンバー構成はトランシーバーの人、女の人、男の人、ピエロの人、の4人組です。
前々から気になっていたんですが、ピエロの人っていったいどういう経緯でピエロになったんでしょうか。ピエロの人もさすがに最初からピエロではなかったはず。
仮に自分がバンドメンバーを募集したとして、ピエロの格好した人が来たらどうします?僕は落とします。だってこわいもの。
だからたぶんピエロの人は後天的にピエロになったはず。元々は普通の格好をしていたバンドメンバーだったんじゃないか。それが、ある日を境にピエロになってしまった。周りの人がピエロになった経験なんてそうそうない。ありますか?ないですよね。僕はないです。
普通の人間だった彼がピエロになった。きっとそこには大きなドラマがあったはずなんです。
バンド活動を長年続けているけれど全然売れない日々。アルバイトと掛け持ちしながらライブハウスでの演奏を続ける4人。スカウトの目に触れることもなく、このままの生活を続けてもバイト漬けの日々からは脱出できる見込みもない。
そんなある日、ピエロの人が言った。
「俺、明日からピエロになるよ」
他のメンバーに動揺が走る。それもそのはず、まさかピエロになるなんてことを仲間に言われるなんて経験、誰もしたことがなかった。動揺してトランシーバーも落とした。
「おい、ピエロの人!どうしてピエロになるんだ?俺たち正統派バンドとしてやってたじゃないか!」
「このままじゃ売れないからだよ!メジャーデビューするためにはスカウトの目に触れることが絶対に必要なんだ。だから…俺が客寄せパンダになってやるって言ってるんだ!」
「そんな…ピエロの人……」
「フン、笑わせてくれるぜ…お前、どうけ(か)してるんじゃないのか?」
「もし、これで売れてしまったら…今までの正統派でやってきた俺たちがとんだ道化じゃないか!」
「いいんだ、これでバンドが売れるなら。俺は有名にはならなくていい。その代わり…絶対に売れて俺たちの曲を全国、いや、世界に届けようぜ」
「ああ…ピエロの人…!」
「……わかった。ピエロの人がそこまで覚悟してるんなら… 俺たちのためにピエロになってくれるか…?」
「お前…どうけ(か)してるよ…」
(うろたえ方に余裕があるんだよなあ…)
数年後、見事スカウトの目に留まりバンドはメジャーデビューし、ブレイク。紅白歌合戦出場を果たす。
ドラゴンナイト ドラゴンナイト
ドラゴンナイト 今宵
僕たちは友達のように歌うだろう
ムーンライト スターリースカイ
ファイアーバード 今宵
僕たちは友達のように踊るんだ